モラハラ夫の顔を見るだけで、今日は何を言われるのかと心臓の音が耳にまで聞こえるような感覚でした。
モラハラ夫が帰ってきた途端に、私は椅子から立ち上がりソワソワと動き、キッチンを片付けたり、トイレ行ったり、必要のない行動をするようになっていました。
その時は、まだ下の子も小さく、私も専業主婦でしたので、働かなくてはいけないけど、幼稚園入園前で働くに働けない状態でした。
そして、幼稚園に入園し、すぐ働き始めたというわけです。
つづき
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美容師のダブルワークをずっとしていましたが、やはり個人店は私には合わず半年ほどで辞めました。
結局大出チェーン店のみので働くことにしました。
仕事がない日はお酒に浸るようになりました。
お酒が入ると、モラハラ夫のことも気にならないかと思いましたが、そうでもなく、モラハラ夫に気をつかい文句を言われないように、しっかりと家事をこなしていました。
結局、すぐ寝れるので飲んでいたようなものです。
酔って、無駄に犬の散歩へ夜な夜な出るようになりました。
それは、彼に電話をしたりLINEをするためでした。
私は毎晩お酒に酔い、彼にも酔っていきました。
聞いてくれることの嬉しさに、どんどん強くなる好きという気持ちを抑えることが大変になりました。
お互い既婚者で子供がいることを背負い、近づきすぎてはいけない関係に苦しさを感じました。
でも、家に帰ればモラハラ夫がいて、怖い…苦しい…と息を殺しながらの生活に余計に苦しくて家に居たくない感覚が増すばかりでした。
朝起きた瞬間から、モラハラ夫は爆音でテレビやラジオをつけ、コーヒーを飲みます。
その後子供が学校へ行き、モラハラ夫も仕事へ行きひとりになった瞬間、その爆音を消します。
はぁ…とやっと息ができたような感覚の中、リビングでボーッとするのですが、はぁ…と深く息をし首を上に向けた瞬間、リビングの四隅の監視カメラが目に入り、嫌気とともに心臓がバクバクするのです。
私はリビングを出て、狭い洗面所へ行き、洗濯を回し、2階へいき前の日の乾いた洗濯物を片付けます。
夫の洋服がたくさんかかっているクローゼットを見て、こんなにいっぱいで…入らない…とイライラしながら適当にたたみ、積みかさねて下に置きました。
そして、掃除機をかけながら、無駄に広い部屋を順にまわり、モラハラ夫の部屋へいくと、目を開けれないくらいの眩しさに余計にイライラしました。
モラハラ夫の部屋はいちばん広く陽当たりのいい部屋なのに、普段はほとんど仕事や趣味で居ないし、ほとんど使われていないのに、モラハラ夫の私物の山になっているのです。
入ると、物がごちゃごちゃし、家具もいっぱいで掃除機をかける気さえなくなりました。
自分が一番家にいる時間が短いのに、いちばん良い部屋を自分の部屋にし、物置にするのです。
でも、リビングや子供の部屋が少し散らかっているだけで、嫌味を言います。
自分のことは棚にあげ、よくそんな事が言えるな…と私と子供たちは思うのです。
こんな家、いらない…
私はいつも思っていました。
シーンとなった誰もいないはずの2階の部屋を片付けて、下に降りようとした時、男性の声が聞こえ、ゾッとした瞬間、私は自分の背中を壁につけると同時に声が聞こえた方を振り返りました。
誰もいないのです。
当たり前です、だって子供は学校でモラハラ夫は仕事です。
誰も居るはずがないのに…男性の声が…しかも私に何かを言っているような声…
部屋をゆっくり戻り、部屋と部屋の間をすべて見ましたが、誰もいない…いるはずもないのに私は不審者でもいたら嫌だと思い、見てまわりました。
やっぱり誰もいない…
少し休もうと、一階のリビングに戻り、キッチンでコーヒーを入れていると、二階から足音が…
誰かいる…
そんな事が前からはありましたが、あの時は本当におかしな現象でした。
中古住宅恐るべし…
私は幽霊は見たことがありません。
でも、昔から気配は感じたり、または行った場所の嫌な感じとかを感じることがあります。
離婚後の最近は人もあります。
一緒にると苦しくなり、酸欠状態で気持ちが悪く吐気がするような感覚になることがあるのです。
よく昔から、占いなどをしてもらうと、霊感的な直感力などと言われることがありましたが、私自身がそれをよく理解していなかったので、気にしていませんでした。
でも今思い返してみると、それは小さい頃からあった気がします。
だいぶ話がそれてしまいましたが、モラハラ夫と買ったマイホームは、見に行ったその時から私は良い感じはなく、入るのも嫌だと思ったことは間違いありません。
二階の足音は前から聞こえていました。
押入れのてんぶくろを覗くのが怖かったり、二階のトイレの辺りの空間に鳥肌がたったり…一階のトイレの奥を見たくなかったり…色々嫌な場所がたくさんありました。
住んでいるのに落ち着かない家でした。
今思うと、モラハラ夫の生霊?または前に住んでいた人?それはいまだにわかりません。
そんな家に、そしてモラハラ夫で私は自分の居場所がない事に気が付きました。
落ち着く場所がない…
私はだから家に居れなかったのかもしれません。
夜はお酒がないと寝れない体になっていました。
仕事がない日は、夕方から完璧にキッチンドリンカーでした。
ガソリンをいれないと動かない体になっていました。
すべてを放棄したくなる瞬間もありました。
何もしたくないのです。
誰か助けて…となる日が多くなりました。
ゆういつ、彼に会える仕事だけが楽しみで生きているような感覚でした。